
ハイディワイナリーについて
ハイディワイナリーは、石川県輪島市門前町の海と里山に囲まれた能登半島・西海岸沿いに佇む、純国産ワインの醸造所です。「能登の食に寄り添う」を醸造のテーマに掲げ、能登半島の海風を受けて育ったぶどうならではのミネラル感のある味わいが特徴です。
その品質は高く評価されており、2024年の日本ワインコンクール欧州系品種白ワイン部門では、見事金賞を受賞しました。
「能登の風」は、そんな能登産ぶどうの白ワインに、金沢の伝統技法「縁付金箔」を振り入れた、ハイディワイナリーとのプレミアムなコラボレーションワインです。
ご自宅での特別なひとときに、また贈り物や手土産としても大変ご好評をいただいています。
2025年で9年目を迎えるコラボレーションワインですが、今年は特別な想いを込めて発売の日を迎えました。

2度の「苦難」を乗り越えて
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震は、能登地方全域に甚大な被害をもたらしました。 特にハイディワイナリーが位置する輪島市は震度7を観測し、一次避難所の数が最も多かった地域でもあります。醸造所は準半壊、物販スペースを含むレストラン棟は全壊という壊滅的な状況に陥りました。


地震直後は道路が崩落し、支援もままならない中、ライフラインも完全に途絶え、想像を絶する恐怖と不安が長期間にわたり続きました。
そんな中、代表の高作正樹氏は、震災直後から人命第一に考えながらも、事業の立て直しに奔走しました。
高作氏「当時、地震がおきた時は会社にいた。真っ先に家族に電話したが繋がらず、ぶどう畑や建物の心配よりも家族や社員、人命の安全がとにかく最優先だった。」
震災から数ヶ月が経過しても復旧は思うように進まず、それでも醸造所の修繕も少しずつ進めながら、ボランティアの協力を得てぶどうの栽培を再開しました。 当社スタッフも、春先から秋にかけてボランティアに参加し、現地の状況やぶどうの成長を間近で感じながら、復興までの道のりの長さを感じました。
しかし、ようやく実ったぶどうの収穫を進めている最中の2024年9月、奥能登を豪雨が襲いました。
ぶどう畑へと続く道が土砂で塞がれたことで収穫ボランティアの受け入れが困難な状況となり、また、なんとか耐えているぶどうは数名の社員だけで収穫にあたることに。
この豪雨災害により8,000本あったぶどうの木のうち、2,100本を失う結果となりました。

復興への支援活動を通して
当社も震災発生以来、箔座日本橋での「復興支援マルシェ」の開催を皮切りに、これまでご縁のあった事業者と協力し合い、物資支援や寄付など、その時できる支援活動を続けてきました。
マルシェでは、能登で取引のあったメーカー様の商品を中心に、その他の特産品も販売。存続が困難な能登の事業者の応援と販路確保を目的とし、多くのお客様に能登の魅力をお伝えしました。
当イベントにおきましても高作氏は、地域をリードしながらワインづくりへの情熱を失うことなく歩みを進めており、被災者のひとりとして能登の現状を伝えながら、その土地が持つ本質的な価値とワインづくりの魅力を多くの来場者に語り伝えてくださいました。


その情熱に突き動かされるように、当社スタッフもボランティア活動に参加し、被災地の厳しい現状とぶどうの生命力を肌で感じながら、「能登の風2024年ヴィンテージ」の完成を心待ちにしていました。 苦難を乗り越えたハイディワイナリーの想いが詰まった特別なワインを、ぜひ皆さまのもとへお届けしたいと思います。

特別な2024年ヴィンテージ
能登の風 2024年ヴィンテージは、輝きのある淡いイエローの色調に、金箔がゆらめき、さらに輝きを増しています。
グラスに鼻を近づけると、レモンやハッカ、グリーンハーブの爽やかな香りが広がり、さらにリンゴや洋梨、白桃、アカシアの花を思わせる甘い香りがバランスよく調和しています。全体として清涼感にあふれ、心地よい清々しさを感じていただけると思います。
口に含むと、アタックは優しく、軽快でありながら落ち着いた印象。その中にしっかりと引き締まった酸味と穏やかな甘みが感じられます。後味にはかすかなほろ苦さがアクセントとなり、旨味の余韻が長く続きます。
ペアリングには、素材そのものの味を引き立てるシンプルな料理をおすすめしています。
魚介のお刺身やカルパッチョ、サラダなどと合わせていただくと、ワインの持つ繊細な味わいが引き立ちます。特に魚介の旨味が凝縮された潮汁との相性は抜群です。
この2024年ヴィンテージには、これまでにない特別な想いが込められています。困難を乗り越え、復興への一歩を踏み出した能登の地から、ぜひ皆さまにこの味わいをお届けできればと思います。